君色の夢に恋をした。


「…あ、俺。練習いかなきゃ。」



そう言って立ち上がった翔を、無意識に視線で追いかける。


最近、わかったことだけど。

翔は体育倉庫からサッカーボールを取り出すついでに、
ここに寄ってくれていたらしい。



そして、グランドへと走りだす直前、


「“私の太陽”だっけ??

頑張ってね!」



爽やかに微笑みながら、声をかけてくれた。



…なんだ。

結局翔は、なんで私が悩んでいたのか知っていたんだ。


きっと、下に落ちているプリントを覗いたのだろう。


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