君色の夢に恋をした。

手に触れそうな距離



翔と別れ、手を振り合った直後だった。


「…おい。」



思わず体が強張ってしまう。


だって、それは、

いつの間にか記憶された、あの苦手な声。


低めで、翔と私の関係をキツく指摘してきた

祐二くんの声だったから。



『…なんですか??』



思わず、敬語になってしまう。


昔から苦手意識はあったけど、あの事があってから、本当に無理。



今だって何を言われるか怖くて。


私は後ずさりをしながら、戦闘体制に入っていった。


< 232 / 352 >

この作品をシェア

pagetop