君色の夢に恋をした。
『えっ…??』
頭に衝撃が走る。
動揺を読み取られたくなくて、私は髪をサラリと耳にかけた。
そんな話、一言も聞いてない…。
「翔はこう言っていたよ。
“早口の夢を俺が奪ったのに、俺が夢を叶えるわけにはいかない”
って…
翔は、お前のために夢を捨てたんだ。」
最初は落ち着いていた祐二くんも、だんだん声を荒げる。
幸い個室だったから周りに人はいないけど、外にまで聞こえそうな勢いだった。