上司に恋しちゃいました
見てなかったの?


ううん、そんなはずない。



じゃあなんで?



なんで……?



誰もいなくなった廊下で一人、ぼーっと佇んでいるあたし。



自然と涙が頬を伝っていた。



……理由は分かっている。



鬼の王子は結婚しているから。



あたしを怒る権利なんてない。



あたしは……愛されてすらいなかったんだ……。
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