上司に恋しちゃいました

「お前さ、なんでいつもつまんなそうな顔してんの?」


潮が引いていくように、あたしの血液が一瞬にして引いていった。


「なあ? 生きてて楽しいか?」


この言葉で、あたしの頭の中の何かが切れた。


次の瞬間、鬼の王子のネクタイをつかんで立ち上がる。


すると、鬼の王子は面食らった表情を見せた。


殴られる、とでも思ったのだろうか?


あたしは鬼の王子の意に反して、そのまま鬼の王子に抱きついた。


ふわりと爽やかな香水の匂いがする。


困惑している鬼の王子の顔を見上げ、ニヤっと不敵な笑みを浮かべた。
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