上司に恋しちゃいました
腰が砕けるような熱いキス。


星明かりに照らされながら、波打つ浜辺で何度も唇を重ね合った。


身体の力がすっかり抜けきると、、鬼の王子はようやく唇を離した。


「これだけは約束しろ」


「約束?」


息も絶え絶えに聞き返すと、鬼の王子はあたしの腰を両手でしっかりと抱きしめながら言った。


「一番に俺を頼れ。

仕事で忙しい時も、家事に疲れ果てた時も。

どんな泣き言だって受け入れてやる。俺が一生お前を守る。


だから、ずっと俺の側にいろ」


さざ波が、BGMのように、寄せては返す砂の音色を作り出していた。


あたしは返事をする代わりに、鬼の王子の首筋に手を回し、キスをした。


鬼の王子はあたしの返事に満足したのか、背中をぎゅっと抱きしめ、飽きること
のないキスを降り注いだ。
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