上司に恋しちゃいました
リビングに戻ると、鬼の王子は「あ~疲れた」と言い、無造作な手付きでネクタイを緩めた。


この仕草がなんともいえずセクシーで好き。


横目で一連の動作を見ながら、こっそりとニヤついた。


「なにニヤついてんの?」


わっ! バレたっ!


「べ……別に……。それよりご飯をよそうから座って待ってて」


逃げるようにキッチンへと向かった。


鬼の王子は不審な顔をしながらもソファに座り、起動したままのパソコン画面を見つめた。


「お~いいかんじに出来上がってきたね、ホームページ」


「そうなんだけど、ホームページ作るのって想像してたのより本当難しい。分厚い本と睨めっこしながら作ってるよ」


「いやでも凄いよ。うちの会社のホームページだって業者に頼んで作ってもらったのに。

センスあるじゃん! 美月にこんな才能があったなんてな」
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