上司に恋しちゃいました
「ふ~ん、そうなんだ。凄腕には全然見えないけど。見た目はギャルっぽいのにね。人は
見かけによらないんだね」


「へぇ~、宮沢さんって、美月さんと元同僚だったんだ。ウソ! ふたり共、普通のO
Lだったらしいよ! しかも営業事務! あたし達と一緒じゃん!」


「ちょっと、うちらも会社立ち上げようとか、間違っても言わないでよね」


「言わないよ。あたしの夢は可愛いお嫁さんになることだもん。あたし絶対MIZUKIブランドのウェディングドレス着て、何回も結婚式する!」


「でも中古のリメイク品でしょ。初めての結婚式とか披露宴では着たくないなぁ」


「知らないの!?
MIZUKIブランドは新品もあるんだよ! 美月さんがデザインして、生地も選りすぐったウェディングドレス。これは貸出しもしているみたい」


「そうなんだ、色々やってるんだね~。じゃあ初めての結婚式もMIZUKIブランドにする!」


MIZUKIブランド特集の最後のページには、幸せそうに微笑み寄り添い合う家族三人の写真が載せてあった。
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