上司に恋しちゃいました
「なんだ、その目は。反省しているのか?」


「……はい、反省しています」


鬼の王子は、冷たい眼差しであたしを見つめると、ニヤリと口元を綻(ほころ)ばせた。


「じゃあこれを、今日までに終わらせておいてくれ」


「え……?」


手元には分厚い書類の束。


時刻はもう十六時を回ろうとしていた。


この量を今日中に終わらせようとしたら、何時までかかるか……。



「不満気な顔だな。今日は用事でもあるのか?」


まつ毛を伏せ、書類の束を見つめた。



「……いえ」
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