上司に恋しちゃいました
「まだやっていたのか」


大嫌いな声が聞こえ、溢れ出そうになっていた涙をのみ込んだ。


誰のせいで。


喉まで出かかった言葉を必死で押し込み、無視して作業を続けた。


「誰かに手伝ってもらえばよかっただろう」


「……私の仕事ですから」


鬼の王子は、あたしのデスクに手をかけ、寄りかかった。


あたしの右手と、鬼の王子の左手が触れそうなくらい近かった。
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