上司に恋しちゃいました
『なんでお前はすぐに一人で抱え込もうとするんだ!

そんな安いプライドなんて捨てちまえ!』



……あたしは鬼の王子のように暴言を吐いたりはしなかったが。


怒られていた時は、あなたには安いプライドに見えるかもしれないけれど、あたしには大事なプライドなのよ、と心の中で反抗していた。



今なら分かる。鬼の王子が言いたかったことが。


あたしは今まで、誰かに頼るのは負けだと思っていた。


自分の仕事は無理してでも自分で解決するべきだと思ってやってきた。


自分にはそれができると思っていたし、なんだかんだで一人で解決してこれたと自惚(うぬぼ)れていた。


仕事は一人でするものじゃないのに。沢山の人の協力があって初めて会社はまわっていくのに。




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