プライド
       ※ 


「花の運命に逆らうことなくそのバラはもう萎れてしまったけど、今も俺に与えてくれたプライドと共に俺の心の中で美しく咲き続けているんだ」
 
サイモンはそう言うと、グラスを持ち上げ美味そうに飲み干した。


「キミのプレイをまた見ることができて本当に嬉しいよ」
 
僕もグラスの中身を飲み干した。


「あんたには本当に感謝している。あんたがいなければとっくに引退していたのは言うまでもないよ」とサイモンは言った。「ひょっとしたらあのバラを落としたのはあんたじゃないのかい?」


「そうかもしれないな」
 
僕は笑ってそう答えた。

 
僕は次にサイモンと酒を飲む日が来ることを今から心待ちにしている。

それが彼の代表入りを祝う酒であればいいと心から願っている。
 

お互いもう一杯注文し受け取ると、僕たちはもう一度グラスを合わせた。


「プライドに」
 
僕はそう言って微笑んだ。


「ああ、プライドに」
 
サイモンも頷き微笑んだ。
 
最初のときよりも小気味良い音が響いた。


それはサイモンの未来を切り拓く希望の音だった。



          

< 16 / 16 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ボディーガード

総文字数/4,112

恋愛(その他)14ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
マーク・テイラー イギリス、リーズ出身 現在英会話講師のかたわら執筆中
ブラック・コーヒー

総文字数/2,893

青春・友情9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
マーク・テイラー  イギリス、リーズ出身 現在英会話講師のかたわら執筆中
ウィスキー

総文字数/3,092

恋愛(その他)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
マーク テイラー イギリス、リーズ出身 現在英会話講師のかたわら執筆中

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop