君の瞳‐ヒトミノオク‐



「は、何言ってんの?
 それより早く行こーよ」

「ふざけんな…っ」


 何か怒って行っちゃったし。

 後ろでまたひそひそ話。


「どんな神経してんの?」

「やっぱ頭可笑しいんじゃん?」


 ほーほー…なーるほどね。

 けどあたし何もしてないし。

 ちったぁ相手してやっかね。

 その女子2人組に近付く。

 あたしを見て固まってるし。

 だったら言うなっつーの。


「何か文句あんなら直接言えば?
 ほら、目の前にいるんだし」

「あ…べ、別に何も…ねっ?」

「う、うん…」


 逃げ出していく後ろ姿を眺める。

 ま、あんなこと言ったってあとでまた何か言うんだろーけど。

 さあこれで、ここには敵だけ。

 ってことはこっちも容赦しなくっていいって訳だし。

 俯きながら舌舐めずりをした。

 化けの皮、剥がしてやる。

 覚悟しとけよ…バカ女。





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