王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
 無駄なことさせやがって。

 でも親父達が俺をここに入れてくれてな
かったら姫野とは会ってなかった。

 一応感謝してる。

「サンキューな親父、母さん」

 俺はそう言って理事長室から出た。

「ちょっと待ってよ光あたしも行くから」

 そう言って美里は俺の後を追ってきた。

「良かったね光」

「ああ」

 ほんと良かった。

 あとは姫野にどうやったら好きになって
もらえるかだ。

「おい美里」

「口調!」

「あ、すみません」

 嬉しさのあまり忘れてた。

「それでなに?」

「姫野さんに私はどうやったら好きになっ
てもらえるんでしょうか?」

「え?それ本気で聞いてんの!?」

「はい」

 俺なんか変なこと聞いたか?

「私変なこと聞きました?」

「いや、変ではないんだけど・・・」

「だけど?」

「いや、いいや」

 教えろよ!

 俺の心の叫びはもちろん美里には聞こえ
ない。
< 133 / 205 >

この作品をシェア

pagetop