王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
「うわ~やっぱり暗いね」

「当たり前じゃないですか、それより怖い
んじゃないんですか?」

「こ、怖いよ」

 実はさっきからずっと足が震えています。

「それなら、はい手」

 そう言って光君はあたしに手を差し伸べ
た。

「いいの?」

「いいですよ別に」

「ありがとう光ちゃん」

 最後の別にがあれですけど・・・。

 そしてあたしは光君の手を握った。

 あったかい・・・。

 握った手からどんどん光君の手の温もり
が伝わってくる。

 でもあたしは忘れていた、今何処にいる
かを。

〝ドンドンドンドン!〟

「キャーー!!」

 あたしは怖さのあまり光君の腕にしがみ
ついていた。

「わぁ!!」

「キャッ!」

 こんな初歩的な驚かし方にもビックリし
てしまった。

「大丈夫ですよ、私がついています」

 光君は優しく言ってくれた。

 あたしは少し涙目になっていた。

 そしてやっとお化け屋敷から出れた。

「あ~怖かった~」

「姫野さんずっと悲鳴あげてましたもんね」

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