王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
 俺は美里の様子が変なことに気がつい
た。

「美里どうした?変だぞ」

「・・・」

 美里は何も答えなかった。

「美里!」

 俺は美里の腕を引っ張り顔を見た。

「・・・」

 美里の顔はゆでダコみたいに真っ赤だ
った。

「お前熱でもあんのか?」

「ないよ!そんなことどうでもいいから
早く来て」

 そう言って美里は俺の腕を引っ張って
滅多に人が来ない教室に俺を連れてきた。

「ここに何かあんのか?」

「違うよ」

「それじゃー何で俺をここに連れてきた
んだよ」

 聞くと美里は下を向いて答えた。

「言いたいことがあるから・・・」

「言いたいこと?それなら早く言えよ」

 早く姫野の所に戻って・・・?

 何で俺はこんなに早く姫野の所に戻り
たいって思ってるんだ?

「光・・・」

「なに?」

「あたし光のことが・・・」

 俺のことが?

「す・・・」

 す?

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