初恋 ―約束。―


ぎゅっ



「ずっとこうしたかった。」


葉月はあたしを抱きしめて震える声で言った。


「あたしも、葉月にこうしてほしかった」


「11年、か。」


「そうだね。でも今はそんなのどうだっていい」


「…そうか?俺はもっと早くこうしたかったけど」


葉月が腕の力を強める。


「・・・葉月。」


「ん?」



「苦しい…」


「わっ!ごめんごめん!」





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