流れ星のカケラ【完】

''Remerciements''

フランス語で''感謝''を意味するこのお店。

よくお母さんと食べに来ていたこのお店。

苺がちょこんとのったミルフィーユが私のお気に入り。

お母さんはフルーツがたくさん乗ってるケーキで、

お父さんにお土産として買うケーキはチョコをふんだんに使ったケーキ。

なぜだか分からないけど、どうしても食べたくなった私がいた。

『優貴ちゃん、席が丁度空いてるってさ。』

お店の人の後ろについてく私と坂木さん。

『ご注文は?』

『う~ん。ティラミスで。優貴ちゃんはどうする?』

坂木さんが見せてくれたメニュー。

お母さんと来ていた時と変わらないメニューで懐かしさを感じる。

3つも頼んだら坂木さんは怒るのかな。

でも、お母さん達が食べていた味を感じたくて…

ミルフィーユとフルーツの乗ったケーキ、チョコケーキを順番に指していく。

『3つも食べて大丈夫?』

コクンと頷く私。

『すみません、今彼女が指したのを1つずつください。』

『かしこまりました。』

お店の人はそういうとスタスタとキッチンのあるほうに歩いていく。

『ここのお店、優貴ちゃんもよく来るの?』

コクンと頷く。

『そっかぁ。俺もよく来るんだよね。』

なんか以外だった。

小6の目で判断したから本当かどうかわからないけど、

多分坂木さんは25歳ぐらい?

外見だって結構イケてると思う。

そんな人がここによく来るってのが不思議。

『あっ、一人じゃないよ?彼女と。』

坂木さんの彼女さんって優しそうという勝手なイメージがつく。








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