*ビターチョコレート*
■好きとは言わない

柚子葉サイド


私は教室から飛び出し、小走りで学校を出た




そうすると校門の前で待っている姿が見える






そして顔を上げ、私を見てニコッと笑う






「委員会の仕事お疲れ様」






優しい笑顔に癒される
そしてドキドキして嬉しくていろんな感情が交差する




「待たせちゃってごめんなさい!!」




そう頭を下げると先輩は私の頭にふわっと手を載せた





「全然!委員会の仕事なんて偉い偉い‼






そう優しく撫でられる






猫にでもなった気分で私はそのままじっと止まってしまった







こんなに優しくされたのなんて初めてで
こんなに優しい男の人っているんだ…
大げさかもしれないけどそう思ってしまったの






この時、私は
完全に先輩の世界へと引き込まれた






もう後戻りはできない。






私は顔を上げ、はにかんだ




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