〜雄獅の過去and未来〜


『出せよ?』


『いーや☆♪』


ーーー第2段階に変えた。


零はナイフを持ちかえると近寄り肩にかかっているバッグの紐を切り、無理やり取り上げた。


そして、中身をあさる。


煙草と…注射器と…携帯ですな。


『これは何かな?』


あっ、それは!!と慌てだす由貴奈。


零は携帯の画面を開いていた。


『七瀬って良なんだろ?お前コイツにあきを襲わせたんだろ?』


『そ、そんなわけないじゃない…。』


そう呟いているゆきの目はずっと泳いでる。


七瀬良。
コイツはこの辺りで薬とかを売っている奴。
言うまでもなく危険だ。


『かける。』


片手携帯、片手由貴奈で電話をする。


『もしもし?』


その声以外は聞こえなかった。


話を終え、電話を切った零は俺たちを呼ぶ。


『コイツは七瀬と繋がっていて薬もやってる。
あきを襲わせたのもコイツ。
あきが囲まれた男共はコイツの連れだ。』


あきは、泣き崩れる。
だから耳をふさげって…


『…そうよ、悪い?その子ムカつくのよ!!』


『そんじゃーね。』


とだけ言い残し由貴奈は消えていった。


俺はあきを姫抱っこすると俺の部屋に連れていきソファーに座らせ背中をさする。


『ひっく…ひっく…ゆき…ちゃん…。』


ずっとこの調子だ。


それから、俺はあきが泣き止むまでずっとさする。


放っておけなかったから。


『あきな…大丈夫か?』


まだあきは肩を震わせ泣いている。


あき…


『ゆう…しくん…ひっく、もう…大丈ひっく…ぶ…。』


いやいや、大丈夫じゃねーだろ!!



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