【短編集】フルーツ★バスケット

「行ってきまぁす」

「今日は塾の日よ。
 遅くならないようにね」

「はぁい」

 杏子と図書館へ行くと言って家を出た。

 ママは、優秀な杏子といるっていうと安心してくれるから。

 本当は違うの。
 
 今まで親に嘘なんて付いたことなかった。

 だって、この時期に男の子達と、ライブの練習なんて言ったら、失神しちゃうでしょ?

 ママ、ゴメンネ。

 心の中で謝り、パタン、と静かに扉をしめた。



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