年下くんは雨が好き


ポツ…ポツ…


空から滴が落ちてきた。



空を仰いだ瞬間―



ザ―――――ッ。





「…嘘」





早織の事、
信用しなかった罰だ。




急にどしゃ降り。





大学を出たばっかりだし、
戻ったって仕方ないもんなぁ。



また行こうと思ってたし
ここから近いからあのカフェに行こう。







ウィーン

自動ドアが開いてお店に入った。



雨に濡れた体を拭こうと
鞄からタオルを取り出していた時、




「いらっしゃいませ
何名様ですか?」



ウェイターの声にパッと顔を上げた。




やっぱりだ。
イケメンウェイターだった。




昨日とどこも変わんない。
でも昨日より無愛想。




「…何名様ですか?」


アタシがポーッと見ていたせいか
痺れを切らしてもう一度聞かれた。



「ぁ!!一名様です…」




「……」



ん?沈黙!?




「…フッ。


あ、すいません。
こちらへどうぞ」



え?
今、笑ったよね!?



でも、やっぱりいつもみたいに
笑顔を消してアタシを席に案内した。


「ご注文がお決まりに
なりましたらお呼びください」

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