杏里詩集ー1ー
バレンタインデー

今日は2月14日。

バレンタインデー。


あたしはドキドキしながら大好きなあなたにチョコレートを渡した。


あなたはいきなり顔を赤らめて、

「えっえっ、俺っ!?」

と叫んだ。


「当たり前でしょ!」

あたしはいつものテンションでいうけど、

あたしの心臓は今にも飛び出しそう。


「サンキュっ!俺部活あるからっ!じゃーな!」

あなたはあたしに軽く手を振って走って行った。


あたしはあなたに手を振り返しながら、

「よかった、喜んでくれた。」

って考えてた。


1ヶ月後。

あなたからのお返しはクッキー。

でもね、1か月前あんなに顔を真っ赤にしていたあなたなのに、


断られちゃった。


あたしは、

「そっかぁ」

とだけ言ってその場を走り去った。


まだ少しだけ冷たい風。

あたしの瞳からながれるしずくを指で拭うと、

あたしはあなたからのクッキーを食べた。


1枚食べた。

涙と混ざって甘くて少ししょっぱい味がした。

もう1枚食べた。

あなたみたいなぶっきらぼうだけど優しい味がした。


「面倒くさいやつ」って思われるかもしれないけど、


いつかあなたが、

あたしだけに笑いかけてくれる。

そんな日を信じて、

あなたを

これからもずっと

想い続けていいですか?


絶対に迷惑はかけないから。

たまに話しかけてくれればそれでいいから。


あなたを想い続けてもイイですか?
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