杏里詩集ー1ー
ごめんね


ごめんね

わたしは先天性の心臓病で余命はあと3カ月。

中学生になって、

あなたに恋をして、

キラキラしてた日々。


あなたに一生分の勇気を使って告白したらまさかのOK。


わたし、嬉しくてその場で泣いちゃった。

あなたは覚えていますか?


それから、

友達にからかわれたり、

デートしたり、

ケンカしたり、

笑いあったり。


いろんなことがあったね。


それもあと3カ月しかできないなんて、

涙が出るよ。


どうしてわたしは病気なのかな?

どうしてわたしなのかな?

わたし、なにも悪いことしてないのに。



なんで なんで なんで?



ぽろぽろとわたしの目からこぼれる涙の温かさが、

その涙をぬぐってくれるあなたの手の温かさが。


わたしが生きてるって事を教えてくれる。



わたしはこれからの3ヶ月間。

ごめんね、じゃなくてありがとうをあなたに言いたい。



でも、最後に言わせて?


迷惑かけて、

心配掛けて、

悲しませて、


ごめんね―――。


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