同じ空の下で

希望

巻き戻せはしない/時間を/ただ見てる
悲しみは/頬を伝う/形に変わる
出会った/たくさんの人
すれ違った/たくさんの人
その全てが/明日に繋がっているんだろうけど
手の届かない/願いは/風に流されて
夢みたい/夢みたい
一瞬で消える
ただ/帰りたい/帰りたい
あの日の僕に/もう一度/言わせて
言えない/「ありがとう」を

僕が唄い始めた瞬間、真鈴の手が震えるのが判った。僕は構わず、唄った。貴田先生は不思議な顔をして僕を見ていた。僕は構わず、唄った。
そして僕の右手はぼんやりと光り始めた。
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