同じ空の下で
ペンギン……未来……失われた過去へ……中学1年……保健室……貴田先生……奏……!
そうだった!
僕は未来から、この時代へとやって来たんだ。愛を探すために。だけどなんだか、すっきりはしなかった。どこか記憶が曖昧だ。何かをがっつり忘れているような気がする。
「大丈夫ですか?」
俯く僕にペンギンは話し掛ける。そう、メスペンギン。
「う、うん。なんとか」
やっぱりまだ、自分の声に馴れていない。重みのない、宙にふわふわ浮いたような声。こんな声で唄ってたんだな。
「ならよかったです。大切な瞬間が、近付きつつあります」
大切な瞬間……その時、玄関のベルが鳴った。
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