二藍蝶
「アイちゃん
 この写真を見るのは
 初めてでしょう?

 確か、この写真
 ヒイロは
 持っていないはずだもの」

「ヨリさん、そうなの?」

「ええ、この写真は
 雑誌等には
 使っていないもの」

その言葉に興奮する茉優。

「うそ、こんなに素敵な
 写真なのに、使って
 いないだなんて・・・?
 
 勿体無い、話」

「スポンサーである
 化粧品会社のコンセプトが
 確か、女性の中に潜む
 男性的で挑発的な部分を暴く
 ・・・だったかしら?
 
 その要求には、笑顔は禁物
 仕方なく没になった作品よ
 
 だから、ヒイロは知らない

 この写真で、見せた
 この笑顔、キラキラと
 輝いているでしょう?」

「はい」
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