二藍蝶
そんな俺の傍で
コソコソと話す、女達。

「あの人
 すごい、かっこいい」

「ねぇ、夏だし
 話しかけてみようよ?」

夏=話しかける・・・?

意味、分かんねぇ。

「えっ、でも
 誰か待ってるんじゃ
 ないかなぁ?」

正解・・・

頼むから、どっか他所で
やってくれ。

「あの、お茶でも
 どうですか?」

俺は、手に持っていた
ペットボトルのお茶を
左右に振った。

「悪い、間に合ってる」

俺に群がる女は、この両手
に余るほどいる。
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