二藍蝶
「ヒロ、帰るの?」

「うん
 
 スミちゃんは部活?」

「そう、これから・・・
 
 じゃあね」

学校を出るまでの間、ずっと
こんな感じで、誰かが彼女に
話しかけてくる。

そして、彼女と手を繋いで
歩く私にも軽く会釈をする。

私は、その都度
会釈を返した。

彼女、茉優さんに
話しかけてくるのは
生徒だけじゃない。

先生に、用務員さん・・・
皆が、彼女に声をかける。

「サヨナラ・・・」

彼女は、私と手を繋いだまま
颯爽と歩く。
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