あいつのキスの練習台


 ――ガラッ


 こないだの様に図書室の扉を開けると、また変な感覚に包まれた。

 そしてこないだと同じ様にカウンターに一人居るだけで、他には誰も居なかった。



 奥の方の死角の場所へ進むと、達也が居た。


 彼を見た瞬間に、またあたしの心はときめく。

 ぎゅっと締め付けられるのに心地が良くて何度でも味わいたくなるこの感覚。

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