レス―Q
【消防の心得-26】





施設に入って
一年経ったある日の事、
九古は自分の体の
異変に気が付いた。








それは
『熱さ』と言う
温度を感じない事。







この事は
生活の中で
直ぐに気付いた。







今までは
まだ肌が
外気に慣れていないから
熱さを感じないと
勝手に判断し、

そうゆうもんだと
思っていただけだが、

やはり何度か
いろんな事を試してみて
自分のソレに
気が付いたのだ。







ボオォ…







施設に置いてある
マッチを

左手にあぶってみた。







それが
不思議な事に
全く熱くない。







どうやら
事故か何かの後遺症で

こうなったのだろう。






その温度を感じない
手を眺め、

少し考えごとをした。






最近になって知ったが

この世には
消防士と言う仕事が
あるようだ。


小学校で習った。








火を見るのは嫌いだが、
もしこの体で
人々の助けになれば…







今の体が
自分の使命に
課せられたように
感じ、

心から
人の役に立ちたいと
小さいながら
立派な事を
考えていた。








最近習った
『消防の心得』







・安心して暮らせる
生活の為に、
私達は日中夜問わず
炎と闘い続けます。







それは、
自分が助けてもらった
消防士の通り

いつでも駆けつけ
どんな炎でも
立ち向かうと言う
強き信念が
少年の心も動かしたのだ

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