レス―Q
「火のスペシャリスト-15」





コイツは…

火のスペシャリスト。








その名の通り
火の特性を知り尽くし、

更には爆発を起こす
現象もお手のもの…









しかも、

自分が
どこに立っていれば、

爆風に巻き込まれない
風の通りも
分かっている。









なので爆発には
一切巻き込まれない。








九古が
部屋に入ってくる時から

全て計算された
ものだったのだ。









そんな悪魔は
そのまま去ろうとする…









「待て!!!!」








九古の言葉にも
一切耳を貸そうとしない…



このまま
また、姿を消すつもりだ。









「おっと…
言い忘れていた。

私の名は『Q』…

私に助けられた命だ。

二度と逆らわず、
憎しみと悲しみを抱き
生きていくがいい…」









そして、
自分の名だけ残すと、

ゆらめく炎のように
消えてしまった…









このゴミ置き場に
飛ばされた事。







『偶然』ではなかった。








それも、
わざわざヤツが
計算しての事だ。









「ぐ…

ち…く…しょ…う…」








グラっ…!

バタン!!








いくら
クッションが
あったとは言え、

三階の高さから落ちた
九古の体は、

軽い脳震盪を起こし
その場に倒れた。









ワー!!!

キャー!!








倒れる九古と、
その爆発…


燃え盛るビルを見て、
街中の通行人は
悲鳴を上げる。









そのまま
何も聞こえなくなる
頃には、

九古の意識は
彼方へと飛んでいった
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