甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
不可解な言動
「食べながら聞いてくれ」

「うん。なに?」

「俺達の関係なんだが、引き続き会社では秘密にしてほしい」

「どうして? あなたの仕事と経理部は関係なくなったんでしょ? と言うより、初めから関係なかったのよね?」

青島部長の話が征一さんの嘘だった事を思い出し、嫌味を込めてそう言った。

「恥ずかしいからだ」

「私が相手じゃ恥ずかしいの?」

悲しくて声が震えた。

「そうじゃない。裕子は大声で自慢したいぐらいの、最高の彼女だ」

「本当に?」

「おお。さっきのは言い方を間違えた。面倒なんだ。同僚とかから冷やかされる事が」

「そうなの?」

「しばらくでいいんだ。しばらくそうしてほしい。頼む」

「いいわよ」

釈然とはしないけど、そう言うほかなかった。

「松野と進藤に口止めしてくれたか?」

「したわ」

こんな話は続けたくなくて、違う話題を考えた。

「何処かに行きたいな…」
< 140 / 239 >

この作品をシェア

pagetop