甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
その日の帰り。

私は駅から歩いて10分のアパートに住んでいる。

社会人になって待望の一人暮らし、のはずだったんだけど、邪魔な居候がいたりする。

ふと見るとアパートの前に見慣れない高級車が横付けされていた。

辺りに人影はなく、恐いので足早にその横を通り過ぎた時、背後でバタンと車のドアが締まる音がした。

振り返らずに急いで2階へ駆け上がり、部屋の前でバッグに手を入れゴソゴソと鍵を探す。

部屋に明かりはなく、居候がまだ帰宅していないのは明らか。

すると階段を駆け上がる靴音が響いてきた。それはたぶん男の人のもの。

『うそ。早く、早く…』

鍵を手にしたものの焦りと恐怖で手が震え、うまく鍵穴に差し込むことが出来ない。
その間、走り寄る靴音はもうすぐ側まで近付いている。

すっかりパニックに陥っていると、肩をぽんと叩かれた。

「ひゃっ」
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