甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「ふん。何を言うかと思えば、そんな事か。電話で言った話と違うじゃないか?
本当にそんな理由なら、聞く耳は持たん。

不服そうな顔だから説明してやる。
おまえと麗子さんの間に特別な感情がない事は分かっている。
しかし世の中の夫婦が、みな相思相愛で結婚する、とでも思っているのか?

夫婦になって、生活を共にしてから、愛情が育つ夫婦はいくらでもある。父さん達もそうだ。

そもそも、おまえは何もかも承知で、この縁談を受けたはずだ。
結婚は個人だけの問題ではない。神崎家と高島家の問題でもある。
破談となれば、両家にどれだけ迷惑が掛かるか、おまえは分かっているのか?
麗子さんの評判にも傷が付くだろう。

それだけの犠牲を払うのに、そんなくだらない理由が通ると思うな」

「………」

なんか、今のお父様の言う事、一理あった気がする…

「そうですね。綺麗事を言ってすみません。では改めて、俺の本心を言います」
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