[君の秘密]

君に

君のその颯爽と歩く後ろ姿に
俺はただ見とれているだけだった



君があまりにも、いつも通り
美しすぎるから


俺は、夢でもみたのかと思ってしまった











幻だったのか‥‥


そう考えていたら


ガラッ。











[‥おう高橋、どうした?]


あいつが出てきて俺にたずねた

俺は、今目の前にいる男、いや教師が
冷静に言葉をかけてきたので

俺はまた、幻だったのかもしれないと思った












[‥あ、すみません
携帯を忘れたみた‥‥‥い‥で‥]











答えている最中

俺は見てしまった














俺達が、さっきまで授業プランをたてていた
白い長机の隅についていた












君の残した、液
















窓からもれたオレンジ色の夕焼けが
白い長机に写り、その上にある君の残した液を
まるで、
オレンジジュースでもこぼしたかのように
際立たせ、存在を俺の目に映した















[ああ、それだったらさっき白石が帰るついでに持っていったけど、会ってないか?]













この男が、君を














[あ、はい、さっき受け取りました]














君の身体を、













[おお、そっか、ならよかった
ったく、高校生は携帯なきゃ生きてけねー性分だろーが、気をつけろよー]
















君の甘い声を













[そうなんすよー。俺焦って取りにきましたもん]
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