‡幼なじみ‡



莉紅と桐原さんが、付き合い始めてどれくらいたっただろう…。


今日も、桐原さんは莉紅と一緒に部活に来ている。


辛い…。


教室でも…部活に来ても、2人の姿が目に入ってくる。


胸の奥の締め付けが、どんどんキツくなってきて息が出来なくなるんじゃないかと思うくらい。


この胸痛み…いつか消えて無くなる日が来るんだろうか?


私に、莉紅以外の好きな人ができる日が来るんだろうか?


そうすれば、この苦しみから解放されるの?


っ………。
そんな事…無理に決まってる。
17年間の片想いは、そんな簡単には消えて無くならない。


莉紅が『好き』

莉紅が他の人を想っていても、彼女がいても、あなたが『好きです』


だから、あなたを想っていていいですか?


私の胸の中で、ひっそりと誰にも分からない様に。
誰にも迷惑掛けない様に、あなたを『好き』でいていいですか?




こんなふうになって、気付くなんて。


幼い可愛らしい、『好き』じゃない。


もっと、もっと、深い想い…あなたの全てが欲しい。

そして、私の全てをあなたのものにして欲しい。


『愛しています』


でも…叶わない想い…。


だから…私は、あなたの幸せを願います。


莉紅が幸せなら、私も幸せ。


毎日を、笑顔で過ごしていける。





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