秘密の恋心〜姉弟の禁断の恋〜
「運転、上手いね?」

話題を変えたかった事もあるけど、俊は車の運転が上手だと思った。

特にスピードを上げるでもなく、でも流れにちゃんと乗せて車を走らせていた。少なくても、初心者マークを付けてる割には上手だと思う。

「自動車専用道路だからね、楽勝だよ。楽過ぎて眠くなっちゃうよ」

俊はそう言うと、実際に大きな欠伸をした。

「居眠りしちゃ嫌だからね?」

「はいはい。ゲームやってたおかげかなあ」

「ゲーム?」

「そう、レースゲーム」

「ゲームと実際の運転は別でしょ?」

「確かに別だけど、通じる部分もあるよ」

「そうなの? 例えば?」

「ん…例えばコーナーを曲がる時、どんなタイミングでステアリングを切り、また戻すと、どんなトレースを描いてコーナーを抜けられるかとか、どのタイミングでアクセルを踏み込めば、よりスムーズにコーナーを立ち上がるかとか、そんな事が頭でシミュレーション出来るのは、ゲームの経験のおかげかなと」

「………」

「どうした?」

「私が眠くなった。今の話を脳みそが拒否したみたい」

「あはは」
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