無気力LoveStory
無気力LoveStory

屋上のミルクティー


蝉の声がなんだか煩いと感じる季節になってきた。

温暖化のせいで厚さが増してきて、どうしようもなくなる時期。


あたし、七瀬灰音は教室の隅っこで溜め息を零した。

「どうしたの?」

目の前で溜め息をついたあたしに、麗奈は怪訝そうな瞳を向ける。


「佑耶君…」

うじうじと呟くあたしに、今度は麗奈が溜め息を零した。

「またそんなこと!彼女がいるんだからしょうがないでしょ」

そうなんだけどさ。

それでも一度好きになったら諦められないのがあたし。

追い掛けることはなくても、ずっと好きでいちゃう。


「観念して、新しい恋でも探しなさい」

お母さんか!ってくらいきっぱりと言い放たれて。

一度睨みつけてから、本日二度目の溜め息をはいた。


ふと窓から見上げると綺麗すぎるような晴天が見えて。
なんとなく屋上に向かう。

あたしの気分さえも綺麗に晴らしてくれるような気がしたんだもん。



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