ボーダー
パタパタ……

メイのスリッパの足音に気付いて目を開ける。

近くにキャミソールとショートパンツを着たメイがいた。カーディガンは着ているものの、ショートパンツの丈が短すぎる。

……しかも、キャミソールからブラジャーの黒いヒモまで顔を覗かせている。

「眠いの?」

オレと目線を合わせるようにして、顔を覗き込むメイ。

「メイが来なかったらここで寝ちゃってたかもしれない。」

「眠いなら素直に寝ててよかったのに。」

そういうわけにもいかない。
寝ぼけて、万が一にもメイの素肌に触れてしまえば、理性の箍は簡単に外れる。
そうしてはいけないのだ。
少なくとも、今は。

膝を曲げて中腰になっているからか、キャミソールから黒い花柄のブラジャーがバッチリ見えている。
ブラジャーだけなら、まだ我慢はできた。
谷間まで見えていることに、本人は気づいているのかいないのか。

メイ本人は無意識なんだろうけど、オレには誘っているようにしか見えない。
……いい加減に限界だ。

手早く済ませてこよう。
ソファーから立ち上がり、久しぶりのメイの家のため、彼女に場所を聞いてトイレに向かう。

自身の先端から溢れる透明な粘液で既に下着は濡れていた。

寮からありったけの下着を引っ掴んで来てよかった。
下着から大きさと硬さを増したものを苦労して取り出すと、自分の手で刺激する。

「っ……あっ!」

勢いよく先端から飛び出た液体を処理して、トイレから出る。

これで、もう一度メイが欲情させるような言動をしてきても耐えられるはずだ。

そうは言っても万が一、襲ってしまうと困るので、ソファーで寝ることにはしていた。

「オレは、ここのソファーで寝るからいいよ。
メイは自分の部屋で寝な?
身体冷えたら大変。」

「身体冷えたら風邪ひいちゃうよ?
蓮太郎も一緒に、私の部屋で寝よ?」

彼女の口からその台詞がいとも簡単に出てきたことに驚いた。

メイのために、言ってるんだよ?
あんなことがあったばかりだ。
いくら相手が信頼してるオレでも、一緒の部屋になるのは、まだ怖いのではないだろうか。

「オレの前でそんなことを言っていいの?
襲うよ?
あんなことがあったばかりなのに大丈夫?」

いくら先程、1人で処理をしたとはいえ、好きな人と同じ部屋で寝るのだ。
……欲情しない自信は微塵もない。

ただ、メイは一緒に寝たがっている。

それに、メイも、あんなことがあった後だからこそ、1人は心細いだろう。

彼女はたまに、昨日もそうだったが、未だにあのときの夢をみるようだ。
さらに夢の中で今より最悪な状況になったときに飛び起きるそう。
それは心配だ。

昨日のことを思い出すと、ふと村西さんがオレとメイを寝かせてくれた体勢が頭に浮かんだ。

村西さん自身がヒントはくれてたわけだ。
やはり、大人は人生経験値が違う。
未成年とは比べ物にならない。

「まぁ、メイの部屋で寝るとしても、夕方寝てた体勢なら問題ないとは思うんだ。
そうしようか?」

ありがと、と言って嬉しそうに抱きついてきたメイ。
抱きつくな。
せっかく処理したのに、また反応し始める。

……早く寝るか。

2人で急な螺旋階段を上がって、メイの部屋に向かった。

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