ボーダー
〈レンside〉

翌朝の朝6時25分。
空港のゲート前にはFBIの村西さんと遠藤さん。
巴姉さんに茜姉さん。
そして義理の祖父母とメイがいる。

時間がないからと、エンパイアステートビル近くのホテルから、みんなまとめて村西さんに車で送ってもらった。
オレも実は車の運転ぐらいはできる。
アメリカでは16歳から運転免許を取れるからだ。
それなのに出番がなくてちょっとがっかり。

「30分発、成田空港行きの便にしておいた。
別れを惜しめよ。思う存分な。」

村西さんが搭乗手続きを済ませておいてくれたみたいだ。
それにしても、しばらくオレに会えないというのに交わす言葉が少ない。

どうやら、婚約者のメイと話す時間を少しでも多くするためにそうしてくれたようだ。

「蓮太郎……!」

メイはそう言いながらオレにぎゅっと抱き着いてきた。
そのまま彼女を強く抱きしめる。

メイは胸元にフリルが着いたミニ丈のロンパースに、グレーのロングカーディガンだ。
胸元のフリルとミニ丈がヤバい。

正直、見るのは俺だけでいいのだが、村西さんと遠藤さんも見ているのがムカつく。

だが、控えめに言って最高だ。

そういう10代のうちしか着れない服をもっと着てもいいんじゃないかとさえ思う。

ロンパースの下を見たいくらいだが、それはお楽しみにしておこう。

「メイ。
アイツらを捕まえたら、オレもそっちに行くから。
待っててな。
オレの大事な幼馴染みの男女2人にも、オレの婚約者だ、って紹介したい。

それで、お互いに18歳になったら籍入れよう。
何なら、婚姻届をインターネットでダウンロードして書く練習しとくか。」

「蓮太郎!もうすぐだぞ!」

「メイ。」

村西さんか遠藤さんのどちらかが発した声には聞こえないフリをさせてもらう。
抱き締める手を緩めることなく、メイにキスをした。

1回目は優しくしたが、2回目は舌を絡める激しいキス。
キスをしながら、ごく軽くメイの胸の膨らみを触る。

男のスイッチが入ったらしく、下半身が反応し始めた。
……もう知るか。

しばらくメイに会えないから、彼女の全てを脳裏に焼き付けておきたいのだ。
それの何が悪い。

オレは唇を離して、そのままメイの耳元である言葉を囁いた。

《まもなく7時25分発303便日本行きの,搭乗を開始します。
チケットをお持ちの方は、ゲート前にお越しください。》

本当に時間切れのようだ。
こんなに寂しくなるのなら、疲れたなど言っていないで、メイを問答無用で抱けばよかった。

オレは、メイの頭を軽く撫でた後、この数日間お世話になった人の顔を見渡してVサインを向ける。
そして、後ろは振り返らず、前だけを見てゲートに入った。

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