素敵すぎる上司
しばらくすると、私の涙も落ち着いた。佐藤君は、それまで黙って待っててくれた。


「落ち着いたか?」


「うん、ごめんね」


「あのさあ、おまえは知らないと思うけど、俺結婚してさ、もうすぐ子供が生まれんだよ」


「そうなの? おめでとう!」


「サンキュー。それでさ、昨日のおまえからの電話に出たのが、女房なんだよ」


「ああ、若い女の人が出たから、誰かなあと思ったんだ」


「その女房がさあ、すごいヤキモチ焼きで、特に腹が大きくなってからひどくてさ、俺が浮気しないか心配ばかりしてんだよなあ」


「ふ〜ん、そういうの聞いた事あるよ。佐藤君、浮気してるの?」


「してねえよ! だからさあ、おまえと会うのも、電話も、もうナシな?」

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