素敵すぎる上司
「先ほど藤堂蘭子を逮捕しました。警察内部に処分が発生する事件のため、慎重に捜査したので遅れてしまいました」


「ありがとうございました」


「いえいえ、それが警察の仕事ですから、礼には及びませんよ。

藤堂家は当然ながら示談交渉をして来るでしょう。告訴するか、示談に応じるかは、涼さんの自由です。

もし示談に応じれば、起訴猶予になるでしょう。
示談金は、おそらくは涼さんや、郁美さんの学費を払ってもお釣りが来る程の額でしょうね」


「はあ。その時になったら良く考えます」


「そうですね。何かありましたら連絡してください。では、私はこれで……」


高木さんはパーティ会場を出て行ってしまった。


「あ、なべちゃん、こっち来て」


見ると、管理課の鈴木さんが前の方から私を呼んでいた。

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