俺様と奏でるハーモニー
気持ちはとっても嬉しいけれど、なんだかもったいなくて受け取れない気がしたの。
だって、本当にあまりにも急だったし。
「……結婚指輪だけで十分ですよ、私」
「俺が買ってやりたいの!!
でも、残念だったな。今の勤務先の給料と、島流し中の給料じゃかなり違うから、給料の3ヶ月分とかっていう基準にした場合、1桁違う指輪になっちゃったぞ」
あ、多分、照れ隠しだわ、今の。
ちょっとだけ、修さんの行動がつかめてきたような気がする。
だから、わざと言ってあげる。
「そこまで言うんだったらありがたく頂きます。
1桁違ってたって、いいんです。
2桁違っていても、ううん、3桁違うおもちゃの指輪でも喜んで頂きますよ。
そこにちゃんと修さんの気持ちが入っているなら、ね。
それで、指輪をはめる時にちゃんと教えてください、修さんの気持ち」