俺様と奏でるハーモニー
「森本先生は、ずっとこの街に住んでいて、離れたことがないからわからないかも知れないけれど。
高校教員は北海道全域を転勤しなくちゃならないでしょう?
五十嵐先生はこの間までO島に居たくらいだし、芹沢先生だってこのままだと来年度どこへ飛ぶかわからないわ。
……そうならないために、2人には頑張ってもらわなきゃならないけれどね」
城田先生が、私達を見て意味ありげに笑ってる。
そ、そういうこと、かしら?
赤くなる私を見て、森本先生は不思議そうな顔をしていた。
わからなくていいわ!!
「その点、小学校は基本的に管内異動だから、森本先生がこの街に留まりたいと思ったら、希望は叶いやすいの。
ご両親もそれを望んでいるんでしょう?」
「……はい。私は一人娘なので、老後の面倒は私が看たいなって思っています」
「それならなおさら、小学校で受験することを考えた森本先生は正しいわ!」
「ありがとうございます。でも、問題があるんです……」