僕はいつでもキミの傍に

フラフラとその赤い空の下へと向かって歩くと、そこがどこかのビルの屋上だと言う事に気が付いた。

そっと後ろを振り返るが、もう少年の姿は見えない。

一歩踏み出そうとしたその時、目の前の床が崩れ落ちる。

あと一歩踏み出せば、私の体は奈落の底へと落ちて行く。

『ほら、だから言っただろ?』

その声のする方へと視線を向けると、そこには一人の男が立っていた。

刺す様に鋭い視線の男は、少し小馬鹿にする様に不敵な笑みを浮かべ、私を真っ直ぐに見つめている。

『何も知らないお嬢さん。早く目を覚まさないと大変な事になってしまうよ』

そう言って彼は笑うと、次の瞬間……奈落の底へと向かって落ちて行く。

彼の体は見る見るうちに地面へと引き寄せられ、そして不快で恐ろしい打音が聞こえた。
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