狂おしいほどに、恋の戯曲を
捨てられ、拾われた。





 初めてそれに気づいたのは、いつだったろうか。




仲良く手を繋いで歩いている親子。
ファミレスで楽しそうに食事する家族。

絵に描いたような幸せな光景は、自分にも同じようにある日常風景。


そうだと思って十年が過ぎて、分かり始めた事実は、
あまりに薄っぺらく痛いものだった。






そうして今日、私は家を出た。



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