狂おしいほどに、恋の戯曲を



 時刻はもう0時を回っていた。

ふいに訪れた沈黙を春日さんが破る。



「ユイ、俺が何の仕事してるか分かる?」



気になっていた質問を唐突に振りかけられ戸惑ったが、首を横に振った。

そうして春日さんはじっと私のことを見つめて、
「そっか。」と少し笑って答えた。





「え!それで、何の仕事してるんですか?」



「んー。秘密。」



「う……。」



秘密主義なのか?
仕事くらい教えてくれたっていいのに…。



「まあさ、いずれ分かるよ。」


「…?」



この時春日さんが言った”いずれ”は、そう遠くない未来だったと、後に知ることになる。



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