教授との融点

渡されたプリントを持ってコピー室に向かった。


「あ、トモカ、おはよう」


「結奈もコピー？」


「うん、初瀬尾教授に頼まれて」


「あ、髪切ったんだ？」


「うん…。成り行きでっていうか、失恋っていうか、別れるべくして別れたっていうか…」


「えっ！？圭吾と別れたの！？」


「…うん。圭吾の浮気現場に出くわしちゃって、ね…」


「それってシテるとこ？」


「そう。ほら、ゼミの合同飲み会の日」


「あー…。それで結奈あんなに飲んでたんだ」


「うん…。でも今はもういいの。あたしは圭吾にとってその程度だったんだ」


「現場に出くわしちゃうとは…辛かったね？」


「まぁ…ね」