意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「どうしたの?」

「親友の加奈ちゃんも水嶋先輩のこと好きなの。加奈ちゃんを裏切れない…」

「裏切る事とは違うと思うわよ。人を好きになる気持ちって、自然に起きるもので、理屈でどうこう出来る事じゃないの。加奈ちゃんに素直に言ってみなさい。親友だったら、分かってくれるはずよ」

「そうかな…」

「そうよ」

「分かった」

「がんばってね」

「うん、ありがとう、お母さん」

私は一度置いたお箸を持ち、ご飯をまた食べはじめた。

「まあ、どうしたの?」

「気持ちがすっきりしたら、お腹空いちゃった」

「うふふ。やっといつものメグになったわね」

「私、そんなに食いしん坊かな?」

「元気って事よ」

「そっか」

「食いしん坊だけどね」

「もう…」
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